Island 2

ウェディングをキーに業界を検証するメモ

ウェディングのお仕事で使うシステム比較 ver.2020-07(2)

中の人のメモです。

 

システムのカバーする領域と役割(ウェディング編)

 

あんまり包括的にやり過ぎてもアレなので興味のある範囲でまとめてみました。

ウェディング業界の業務フロー×担当する業務内容に照らして考えたほうがわかりやすいかなとも思いましたが、せっかくなので既存のシステムの性向を勝手に分けてみました的切り口で。

(1)ウェディングの業務でつかうシステムの分類

ざっと仕分けてみると、

  1. 基幹太郎(いわゆる財務系のシステム。1/4は経理次郎とかぶって、1/4はBI九郎とかぶる)
  2. 経理次郎(経理の人が使うシステムのうち見積請求部分が主。場合によって入金管理)
  3. 発注三郎(購買システム。使用者は会社組織の作り方で様々。見積請求と完全にひっついてる場合もある。)
  4. 宴会予約史郎(業界特有。古くは宴会場予約、最近はもっと多面的側面が求められてるので後述)
  5. 席次五郎(これも業界特有。昔はエクセルとかで頑張ってた。今はいろいろな新郎新婦が決める手配ものの管理までこなすものもちらほら、マイページという方向での進化も)

この辺がレガシーな兄弟。後、今の時代的に求められてるもので行くと、

  1. 来館睦夫(業界特有といっていいかな。来館前と来館時の2セグメントある)
  2. SFA七浪(場合によって6も含む。営業マンを主体に管理する)
  3. CRM八郎(場合によって6も含む。顧客を主体に管理する)
  4. BI九郎(経営・財務分析、基本的にはデータをとりまとめて指標化する。ERPとかKPIもざっくりこの中に入れちゃう)

ゼクシィの中の人マジすごい(ネーミングセンス的な意味で)。ざっと思いつく範囲で、上げてみましたので、それぞれの役割を見ていきましょう。

 

(2)基幹太郎の役割

いわゆる財務系システム。昔はホテルシステムといえば的な位置づけだった。財務管理を主な目的としていたので、仕事的には経理システムの後に来る。日本で代表的なのはNECさんのNehopsかな。

管理すること自体は売上を生まないので、最近はERPやBIとくっついたSaaS型のクラウドサービスが目立つ。

普通のウェディングの事業者なら経理次郎とKPI管理で回せる気がするので、よほど古くから事業を展開してるか、ホテルのように複合的かつ手広く事業展開している人たち向け。

 

(3)経理次郎の役割

いわゆる経理システム。オフコンの時代からクラウドの現代まで面々と続く。単純な請求書作成から手元現金の管理、P/Lや半分財務とくっついたようなものまで事業者の規模に応じて幅広い選択肢がある。法律と密接に結びついてたりするので、そこそこ更新が必要で割と高価。これ単独では売上を生まないので、いかに効率よく業務を処理するかがフォーカスポイントか。

 

(4)発注三郎の役割

いわゆる購買システム。発注は会社組織によって大分ルールが違うし、特にウェディングの事業はいろんな形式でパートナーとやりとりをする上、パートナーさんの方が専用の受注システムもってたりするので運が悪いと同じ会社の中でいくつも発注ルールがあったりする。

汎用発注プラットフォームという意味では食材のinfomartを活用している例も。

いわゆるウェディング事業向けのシステムでも発注機能ありますと謳うシステムは多い。

 

(5)宴会予約史郎の役割

ホテルの宴会予約台帳をパソコンの中で管理しょう、端末のあるところでなら誰でも見れて台帳の取り合いもなくなるし、がスタートだったんだろうなぁ。昔の宴会システムの核で「宴会予約に顧客情報が紐付いている」といういかにも宴会予約から生まれました的構造が特徴。ダブルブッキングしません、だけで宴会予約課の人のストレスが大分減って、ベンダーもハッピーだったのは遠い昔。

ネットを介した共有も当たり前で、小規模なウェディングの事業者さんならgoogleカレンダーのようなスケジューラサービスやグループウェアを工夫して使ってたり(勿論汎用サービスなのでそれなりの欠点も多いのだが)。

もちろんウェディング事業向けのシステムでも宴会予約管理機能ありますと謳うシステムは多いのだが、顧客を主に「白地から追っかける」という時代の変遷をキャッチアップしてるものは意外に少ない。

 

(6)席次五郎の役割

「席次表作の大変なんですよ」という、実にウェディング業界らしい課題をシステムで解決しようとしたものとその子孫。商品の電子カタログサービス、ショッピングカートとの連動の方向と、宿題管理、ゲスト管理にフォーカスする方向とがあるかな。ウェディング+システムで上がってくるシステムとしてはこのカテゴリー向けのソリューションが多い印象。別で詳述。

 

(7)来館睦夫の役割

ここ15年くらいの間に業界を確実に変えたと思うソリューション。SFAが一般的に想定しているリードのウェディング業界版といえる。ここを「きちんと」やってるか否かで業績が3割変わる。

今ウェディング業界で最も多く使われているのは多分リクルートゼクシィ謹製のAWS。広告出稿しててればただで使えるし。だが、ただより怖いものはない。ゼクシィ営業マンがあなたの会場の来館情報を「エリア情報」と名を変えて隣の会場に持って行って分析していることの意味が分かる人はそれなりの使い方を見いだしている。ここも詳しく書きたいので別記事で。

システム化の起源でパイオニアで未だにリーダーなのははまちがいなくmakeitさんのES(の前身のシステム)。最近はウェディング事業向けシステムの中にも当該機能を搭載していると謳うものが出てきたがまだまだな印象。

 

(8) SFA七浪の役割

営業マン(ウェディング業界の場合はプランナーさん)の行動を起点に売上を管理する、という考え方のソリューション。saleseforce派生のシステムがよく言われる。一時期大手ウェディング事業者がこぞって取り組んで、ほぼ離脱したことからわかるように、想定しているフローが日本のウェディングのセールスフローと違いすぎるのでこの形式で効果的に業績に結びつけている例はほぼない。エス〇リさんくらい間接部門が大きい会社ならならそれでもいいのかも。

 

(9)CRM八郎の役割

顧客を起点に様々な情報を管理する、という考え方のソリューション。広義に見ると経理次郎からSFA七浪までみなその性質を少なからず持っているが、どの状態の顧客を管理するか、で効果が変わってくる。

 

 (10)BI九郎の役割

集まった情報を分析して経営に役立てましょう、なソリューション群。ERPとかKPIとかBIとかいろいろ。経営陣のリテラシーが問われる。ぼちぼちウェディング業界でもちゃんとやってる会社が出てきた感じ。

 

大分長くなったのでここまで。次は基幹太郎とBI九郎を除く各役割を別軸できるような何かを。